今回は、特定旅客自動車運送事業経営許可申請のうち「審査基準」について取り上げたいと思います。
この特定旅客自動車運送事業の許可申請の審査基準については、大きく分けて「物(施設)」と「人」の要件に区分することができます。
1.審査基準(「物(施設)」の要件について)
(1)営業所
配置する事業用自動車に係る運行管理及び利用者への営業上の対応を行う事務所であって、次の各条件に適合すること
①申請者が土地・建物について1年以上の使用権原を有すること
→施設の使用権原を証する添付書類の提出が必要です
②建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと
→営業所候補地が関係法令に抵触していないか事前に調査する必要があります
③事業計画を的確に遂行するに足る規模であること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
(2)事業用自動車
申請者が事業用自動車の使用権原を有すること
→車両の使用権原を証する添付書類の提出が必要です
(3)自動車車庫
自動車車庫が次の各条件に適合すること
①原則として営業所に併設されていること、ただし、併設できない場合は営業所から直線で2キロメートルの範囲内にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
②車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、営業所に配置する事業用自動車を全て収容できること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
③他の用途に使用される部分と明確に区画されていること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
④申請者が土地・建物について1年以上の使用権原を有すること
→施設の使用権原を証する添付書類の提出が必要です
⑤建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと
→自動車車庫候補地が関係法令に抵触していないか事前に調査する必要があります
⑥事業用自動車の点検、整備及び清掃のための施設を設けていること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
⑦事業用自動車の出入りに支障のない構造であり、前面道路が車両制限令に抵触しないこと
→添付書類として前面道路の道路幅員証明書等の提出が必要です
(4)休憩、仮眠又は睡眠のための施設
①原則として営業所又は自動車車庫に併設されていること、ただし、併設できない場合は営業所及び自動車車庫のいずれからも直線で2キロメートルの範囲内にあること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
②事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有すること
→添付書類として施設の図面等の提出が必要です
③申請者が土地・建物について1年以上の使用権原を有すること
→施設の使用権原を証する添付書類の提出が必要です
④建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと
→休憩仮眠睡眠施設候補地が関係法令に抵触していないか事前に調査する必要があります
(5)損害賠償能力
旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運行により生じた旅客その他の者の生命、身体又は財産の損害を賠償するために講じておくべき措置の基準を定める告示で定める基準に適合する任意保険又は共済に計画車両の全てが加入する計画があること
→見積書の写し・宣誓書等の添付書類の提出が必要です
2.許可審査基準(人の要件)
(1)運送需要者
運送需要者が原則として単数の者に特定されていること
→添付書類として運送需要者との契約書写し等の提出が必要です
(2)取扱客
取扱客が一定の範囲に限定されていること
例えば、「○○株式会社の本社工場の従業員、臨時職員(パート)に限る」など
→添付書類として取扱旅客の種類等を記載した書面の提出が必要です
(3)路線又は営業区域
需要者の需要と整合性のある路線又は営業区域が設定されていること
→添付書類として運送需要者との契約書写し等の提出が必要です
(4)管理運営体制
①法人にあっては役員のうち1名以上が専従すること
→一般旅客自動車運送事業の場合とは異なり、法令試験を受験する必要はありません
②営業所ごとに配置する事業用自動車の数に義務づけられる常勤の有資格の運行管理者の員数を確保する管理計画があること
→添付書類として運行管理者資格者証等の提出が必要です
③原則として、常勤の有資格の整備管理者の選任計画があること
→添付書類として整備管理者の資格要件を証する書類の提出が必要です。
④事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任する計画があること
→添付書類として運転者の免許証の写し等の提出が必要です
(5)法令遵守
申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常勤の役員が欠格事由等に該当しないこと
→添付書類として申請者及び常勤役員全員分の宣誓書等の提出が必要です
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