今回は、貸切バス適正化事業に係る負担金の納付手続について解説したいと思います。

平成28年12月の道路運送法の一部改正により、貸切バス事業者に対して適正化事業実施機関による巡回指導等を行うため、貸切バス事業者への負担金徴収制度が創設されました。

この法改正を受けて、関東区域では、平成29年4月に関東貸切バス適正化センターが設立され、同年5月に国土交通大臣より適正化事業実施機関の指定を受けました。

そして、平成29年6月に負担金の額及び徴収方法の認可を経て、同年7月から負担金の請求がスタートしました。

この負担金の額及び徴収方法については、毎年度、各地方運輸局より認可を受ける必要があり、例えば、関東区域では、令和2年度の負担金の額やその徴収方法について、次の様な取り決めがなされました。

1.負担金の額について
①1両あたり1か年:12,750円
②1営業所あたり1か年:86,520円

※関東運輸局管内に営業所を有する貸切バス事業者の場合、貸切バス事業更新許可申請書に添付する事業収支見積書のうち貸切バス事業収支見積りの「適正化機関負担金」の科目には、各年度の負担金額を基に算出してご記入ください

2.負担金の徴収方法について
(1)負担金の請求について
①令和2年2月1日現在の管轄区域内に存する貸切バス車両数及び営業所数をもって、1か年の負担金額を算出し、認可後、速やかに請求する。

なお、令和2年4月1日現在において、管轄区域内の地方バス協会会員である営業所及び及び当該営業所に所属する貸切バス車両については、負担金額の算出及び請求の対象から除外する。
→地方バス協会が関東貸切バス適正化センターより適正化事業にかかる業務の一部を受託し、会員事業者への巡回指導を実施するため

②負担金の納付について
上記(1)により算出した1か年分の負担金を一括納付する。
なお、新型コロナウイルスの影響を考慮して、令和2年度から分割納付を希望する場合は、1か年分の負担金を半年ごとに分割して納付することができます。

(2)負担金が未納付の場合について
貸切バス事業者が負担金の納付期限までに負担金を納付しない場合、納付期限の翌日から年利14.6%の延滞金が発生するので、ご注意ください。

また、関東貸切バスセンターから督促されたにも関わらず負担金を納付しない場合には、運輸局等への報告を経て、運輸局等から納付命令が下されます。

さらに、運輸局等からの納付命令にも従わない場合には、納付命令による納付期限後に「60日車」の行政処分が下されます。

※行政処分後も納付されない場合
運輸局等による再納付命令→再納付命令にも従わない場合、「許可取消」の行政処分が下されます。