前回に引き続き、令和6年4月から旅客自動車運送事業運輸規則等の一部改正及び追加を反映した新しい安全ルールをわかりやすくQ&A形式にして解説します。

「貸切バスの新しい安全ルールQ&A~その1~」では、①点呼、②アルコールチェック、③記録の保存について解説しましたが、今回は「その2」として④デジタル式運行記録計(デジタコ)、⑤情報公開について取り上げたいと思います。

 

4.デジタル式運行記録計(デジタコ)

Q:すべての貸切バス車両が令和6年4月からデジタコが必須となるのか?

A:令和6年4月1日以降に新規登録を受けた貸切バス車両、つまり新車は令和6年4月1日からデジタコが必須となります。なお、既販車については翌年の令和7年4月1日から必須となるためご注意ください。

Q:学校の送迎用など特定旅客に近い形態で運行を行っていますが、デジタコ義務付けの対象になるのか?

A:運行形態が貸切契約であれば、運行実態や車両の形状に関係なくデジタル式運行記録計の使用が義務付けられます。

Q:ボンネットバスなどデジタコが装着できないバスの場合はどうするのか?

A:デジタコを装着できない車両は義務付けの対象外となります。もっとも、複数の運行記録計のメーカーからデジタル式運行記録計の装着が困難である旨の回答文書(書面やメールなど)をもらい、対象車両を保有しなくなるまでその回答を保存してください。

 

5.情報公開について

Q:インターネットなどで公表すべき安全に係る取組の内容として何が追加になったのか?

A:令和6年4月1日以降の報告から、初任運転者に対する20時間の実技指導(添乗付き)を掲載する必要があります。具体的には、実施ルート、実施時期、車種区分、指導の具体的な内容、添乗者の指導歴などをホームページに掲載してください。

Q:実技指導時の写真や動画を掲載する必要はあるのか?

A:写真や動画を掲載することは必須ではありませんが、安全性のPRの観点から掲載いただいても構いません。

Q:どのように実技指導を行ったらいいのか?

A:国土交通省では、初任運転等に対する指導監督指針の内容をWEBサイトにて案内しているため、詳細については、以下のURLをご参照ください。

国土交通省 貸切バスの安全性向上に向けた対策のための制度改正(令和5年10月公布)

国土交通省 運転者に対する指導監督の概要